大手広告代理店・電通が労働環境をめぐって揺れている。入社1年目の女性社員が過労死と認定されたことをきっかけに、各地の労働局や労働基準監督署が、本社だけでなく全国の支社や子会社に抜き打ちの立ち入り調査を実施。安倍晋三首相や塩崎恭久厚生労働大臣が言及するなど、連日ニュースで大きく取り上げられている。 電通にとって避けたいのが、「書類送検」だ。労基署は通常、違反があれば是正勧告を出し、改善されれば指導を終える。しかし、是正勧告に従わないなど悪質な事例については書類送検(司法処分)し、経営者らの刑事責任を問うことがある。2015年には靴小売のABCマートやクレジットカードのJCBなど有名企業も労働基準法違反で書類送検されている。書類送検されれば、企業のイメージダウンは避けられない。 電通が書類送検される可能性はあるのだろうか。 ●「重大性」と「悪質性」がポイント そもそも書類送検されるのは