大手広告代理店・電通が労働環境をめぐって揺れている。入社1年目の女性社員が過労死と認定されたことをきっかけに、各地の労働局や労働基準監督署が、本社だけでなく全国の支社や子会社に抜き打ちの立ち入り調査を実施。安倍晋三首相や塩崎恭久厚生労働大臣が言及するなど、連日ニュースで大きく取り上げられている。 電通にとって避けたいのが、「書類送検」だ。労基署は通常、違反があれば是正勧告を出し、改善されれば指導を終える。しかし、是正勧告に従わないなど悪質な事例については書類送検(司法処分)し、経営者らの刑事責任を問うことがある。2015年には靴小売のABCマートやクレジットカードのJCBなど有名企業も労働基準法違反で書類送検されている。書類送検されれば、企業のイメージダウンは避けられない。 電通が書類送検される可能性はあるのだろうか。 ●「重大性」と「悪質性」がポイント そもそも書類送検されるのは
過労死・過労自殺(未遂含む)をあわせた労災認定件数は、この10年以上、200件前後で推移している。しかし、電通入社1年目の高橋まつりさん(当時24歳)が過労死認定された事例のように、ニュースとして取り上げられることはあまり多くない。内部情報がリークされたり、遺族が記者会見を開いたりしない限り、企業名はなかなか表に出てこないからだ。 遺族が会社名を公表すれば、社会的には大きなインパクトがあり、労働環境の改善などにつながる可能性がある。しかし、メディアの前に姿を表す遺族は少数だ。全国過労死を考える家族の会・代表の寺西笑子さん(67)=京都府=は、「誹謗中傷などに晒されるので、行動を起こすには勇気がいる。そもそも泣き寝入りする遺族も多い」と過労死遺族が置かれた苦境を語る。 ●根強い自己責任論 「なんで死ぬ前に家族の顔が浮かばんかったんやろうか…」。寺西さん自身も1996年に夫の彰さん(当時
ラグビー日本代表などで不動の司令塔として活躍し、代表監督も務めた神戸製鋼ラグビー部の平尾誠二ゼネラルマネジャー(GM)が20日午前、死去した。闘病生活をしていた。53歳。京都市出身、自宅は神戸市東灘区。 【写真】7連覇してガッツポーズする現役当時の平尾氏 平尾氏は京都・伏見工高3年時に全国大会を制し、同志社大では史上初の全国大学選手権3連覇を達成。1986年に神戸製鋼所に入社した。 神戸製鋼では、3年目からチームを日本選手権7連覇に導き、ラグビー人気を支えた。また、日本代表として87、91、95年のワールドカップ(W杯)に3大会連続出場。91年時は主将を務め、日本のW杯初勝利に貢献した。日本代表キャップは35。 現役引退後は、97年から2000年まで日本代表監督を務め、1999年のW杯に出場。神戸製鋼では、総監督やGMとしてチーム強化に力を尽くした。 また、2019年のW杯日本大会
サイバーセキュリティーの専門家を認定する国家資格「情報処理安全確保支援士」の最初の資格試験が、2017年4月に行われることが固まった。 政府は、資格の通称を「登録情報セキュリティスペシャリスト」に決めた。名刺などへの使用を想定して専用マークも作り、周知に努める。 政府は20年の東京五輪・パラリンピックなどを狙ったサイバーテロに備え、20年までに3万人超の支援士の養成を目指す。新たな資格制度を創設することで、企業や行政がサイバーセキュリティーに精通した人材を見極めやすくし、サイバー攻撃に備える考えだ。 支援士は、サイバー攻撃を受けると甚大な影響が出る分野で防御策を講じる役割が期待される。対象は、重要な個人情報を扱う金融機関や官公庁、電力やガス、鉄道といった重要インフラ(社会基盤)の関連企業などが想定される。
今年のノーベル医学生理学賞が、大隅良典・東京工業大栄誉教授(71)に授与されることが決まりました。日本人のノーベル賞受賞は3年連続、米国籍を取得した人を含めて25人目で全員男性です。ノーベル賞と女性研究者の距離について、明治大教授の藤田結子さんのリポートです。 【写真特集】大隅さんがノーベル医学生理学賞受賞、笑顔で会見 ◇妻サポートを美談に仕立てるメディア 受賞者は必ずと言っていいほど会見で「妻の献身に感謝している」と語ります。 大隅さんは記者会見で、「(私は)いい家庭人だったとは言えないかもしれない」と、研究生活を振り返りました。朝から晩まで研究して、真夜中に帰るような生活をして、子どもたちが小さいときは向き合って遊ぶことはほとんどなかったそうです。 2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した大村智博士(81)も、「私は家庭のことは全く見ないで、研究に没頭する。そういう姿を見て、
日立製作所が、工具と半導体製造装置の事業売却を検討していることが5日、分かった。社会インフラ関連などに経営資源を集中する一方、事業の選択と集中を進め、収益力を高める狙いがあるとみられる。今後は売却先選定を進め、来年中の実施を目指す。 売却を検討しているのは、工具事業を手がける日立工機と、日立国際電気の半導体製造装置事業。いずれも東証1部上場企業で、日立製作所が筆頭株主となっている。保有株の売却などを検討する。 平成28年3月期の連結業績は、日立工機が売上高1415億円、最終利益10億円。日立国際電気は売上高1807億円、最終利益129億円。 日立製作所は、リース事業を手がける日立キャピタル株の一部を三菱UFJフィナンシャル・グループと三菱UFJリースに売却するなど、事業の見直しを進めている。
スウェーデンのカロリンスカ研究所は3日、2016年のノーベル医学生理学賞を東京工業大栄誉教授の大隅良典氏(71)に授与すると発表した。大隅氏は生物が細胞内でたんぱく質を分解して再利用する「オートファジー(自食作用)」と呼ばれる現象を分子レベルで解明。この働きに不可欠な遺伝子を酵母で特定し、生命活動を支える最も基本的な仕組みを明らかにした。近年、オートファジーがヒトのがんや老化の抑制にも関係していることが判明しており、疾患の原因解明や治療などの医学的な研究につなげた功績が高く評価された。 日本人のノーベル賞受賞は3年連続の快挙。授賞式は12月10日にストックホルムで開かれ、賞金800万スウェーデンクローナ(約9500万円)が贈られる。
【ワシントン時事】世界銀行は2日、1日1.9ドル(約190円)未満で暮らす「極度の貧困」状態にある人口が2013年に全世界で約7億6660万人となり、前年に比べ1億1430万人減少したとする報告書を発表した。 今週ワシントンで開く国際通貨基金(IMF)・世銀総会に合わせ、貧困に関する最新のデータを公表した。 世界の総人口に占める極度の貧困者の割合は13年に10.7%で、前年比1.7ポイント低下した。中国とインドネシアの経済成長などを背景に、東アジア太平洋地域の貧困者が7100万人と、前年から半減した。一方、貧困者数が世界の過半を占める南アジアとサハラ砂漠以南のアフリカ地域では改善が進んでいない。 世銀は30年までに極度の貧困を事実上なくす目標を掲げている。世銀のキム総裁は、貧困が多い国の不平等な状況を解消し、「経済成長を促進する必要がある」と訴えた。
数百円から数千円程度で気軽に購入できるカシオ計算機の腕時計「チープカシオ」が近ごろ注目されている。ツイッター、インスタグラムなどインターネット上のSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)にも取り上げられ、人気だ。ライバルのシチズンが同価格帯で展開するブランドにも影響が及び、「チープシチズン」の呼称も定着。両社とも「宣伝も広告もまったく出していないのに」と驚きを隠さないが、腕時計の主戦場といえば数十万円以上の高級時計で、やはり“チープ”では業績アップにはつながりにくいようだ。(藤谷茂樹) 昨年秋、大阪市中央区の家電量販店、ビックカメラなんば店の売り場に「チープカシオ」コーナーが登場した。十数種の腕時計がずらり並ぶが、モノによっては棚に空きも目立つようになってきた。担当の村上真悠さんは「入荷して1~2週間もすれば、品切れが出てしまう」と話す。チープカシオを購入するのは、主に10代~3
へき地医療に尽力する医師を顕彰する「第3回やぶ医者大賞」の審査会が24日、兵庫県の養父市役所であった。滋賀県東近江市、永源寺診療所の花戸貴司医師(46)と、徳島県美馬市、木屋平診療所の藤原真治医師(46)の受賞が決まった。 同賞は養父市が2014年に創設した。奨励金は1人50万円。名称は、下手な医師を意味する「やぶ医者」の語源が、本来は養父にいた名医であるとの説にちなむ。へき地の病院や診療所で5年以上働いている50歳以下(4月1日現在)の若手医師が対象。今回は県外から5人の応募があった。 花戸さんは山あいの農村地域で、看護師やケアマネジャー、商工会などと幅広く協力し、在宅でのみとりを普及させた点が評価された。地域でのボランティアにも積極的という。藤原さんは高齢化率が50%を上回る過疎地で、訪問診療に力を入れる。また、栄養士らと地域の食習慣を調べ、診療に役立てている。 表彰式は11月2
民放ラジオ局の放送をインターネットで同時に聞くことができるサイマルサービス『radiko.jp』は26日、過去1週間分の放送をさかのぼって聞くことができる新機能「タイムフリー聴取機能」を10月11日からスタートすると発表した。 【写真】ラジオ特番の放送が決定した宇多田ヒカル この新機能は「時間の概念にとらわれることなく、聞きたいラジオ番組をいつでも楽しむことができること」を定義とし、無料・非登録制で過去1週間に限り、いつでも後から番組の聴取が可能となる。 1つの番組ごとに3時間まで聴取可能となるが、特定タレントの出演番組やスポーツ中継など権利上の問題で、一部聴取できない番組もある。また、各放送局の編成判断によって当該番組の配信を停止する場合もある。 同機能のスタートにより、民放連ラジオ委員会が提唱してきた新しい聴取文化「シェアラジオ」も実現される。これは、リスナーの拡大と若年層へのラ
動物キャラクターによる不条理ギャグを30年にわたって連載中のいがらしみきおさんの4コママンガ「ぼのぼの」がアニメ化され、4月からフジテレビなどで毎週土曜午前4時52分に放送されている。20年前に一度アニメ化されたこの作品が選ばれたのはなぜか。「サザエさん」などで知られるアニメ制作会社エイケンの松下洋子プロデューサーと山口秀憲監督に話を聞いた。 【写真特集】「ぼのぼの」の人気キャラ シマリスくんも 松下プロデューサー (2013年放送開始の)「鉄人28号ガオ!」の後枠でマンガ原作を探していました。ところが今のマンガは、面白い半面、厭世(えんせい)的すぎてファミリー層に向けてアニメ化したい作品がなかなか見つからなかったのです。そんなとき「ぼのぼの」のグッズが女性に人気であることを知りました。原作マンガは読者のターゲットが広く、読後感も良い。エイケンの持つノウハウを生かし、ファミリー層向けに愛さ
兵庫県川西市の市街地を流れる人工水路で、付近の自然河川では見られなくなった淡水魚など希少種を含む30以上の水生生物が、NPO法人「野生生物を調査研究する会」(同市)によって確認された。同法人は“奇跡の水路”と評価。市はこの水路が延びる都市再開発事業「キセラ川西」区域内でも、多様な生物のすむ「せせらぎ」の整備を行う。自然河川でいなくなった生物が、なぜ人工水路で生存するのか-。そのなぞを取材した。(篠原拓真) 【地図】“奇跡の水路”のあるキセラ川西区域周辺 水生生物が確認されたのは、同市滝山町から市中心部に流れる農業用水路約500メートル。幅は2~3メートルで、底はコンクリート、側壁の一部に石が埋め込まれている。昭和40年代に整備されたとみられ、水路はさらにキセラ川西内にも延びている。 同法人が1998年以降、調査を続けており、これまでに兵庫県レッドデータブックBランク(絶滅の危機が増大し
業務上の理由でけがをしたり、病気になったりしたパート、アルバイト、契約社員などの非正規労働者は労災保険の給付対象ではない--などと、したり顔で語る経営者や人事担当者がいますが、こんな犯罪的な発言を信じてはいけません。ファミリーレストランでやけどを負った契約社員の40歳女性のケースをもとに解説します。【NPO法人ほっとプラス代表理事・藤田孝典】 ◇「働けなくなったら辞めてもらってますから」 ファミリーレストランに勤めていた女性(40)に対するレストラン運営会社の人事部長の発言は、ほとんど犯罪的でした。わざと言っているか、無知かのどちらかでしょう。 シングルマザーの彼女は、レストランのホールで契約社員として働き、生計を立てていました。ところがある日の勤務中、棚からものを取ろうとして転び、近くにあった高温の油で左腕全体にやけどを負ってしまいました。 重いやけどで、治療にはお金も時間もかか
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