我那覇和樹。サッカーに興味がある人ならば聞いたことがある名前だろう。5年ほど前、彼はサッカーサークルの中心部にいたはずだ。2006年、我那覇は輝いていた。サッカーJ1リーグの川崎フロンターレに所属していた彼は、その年、リーグ戦32試合で52本のシュートを放ち、18得点を挙げた。ゴール数は日本人最多、シュート決定率は35%で外国人ストライカーも抑え、Jリーグ1位だった。活躍が認められ、沖縄生まれ初めての日本代表にも選出された。年齢も26才。これから選手としてピークを迎える時期にあった。浮き沈みの激しいスポーツの世界とはいえ彼の半年先いや、1年先ですら悲観視する関係者はいなかったはずだ。 だが現実は違った。彼はその翌年、ドーピング疑惑をかけられた。出場停止処分をくだされ、レギュラーの座も奪われた。その後、ヴィッセル神戸を経て、今は3部リーグに当たるJFLの琉球FCに所属している。 サッカーをす