面白かったのだが、思っていたのと違った。 本作は現実の第一次世界大戦を題材にしているため当たり前といえばそうなのだが、この映画はキングスマンというシリーズの過去のテイストとはかなり異なっており、リアルな反戦映画に仕上がっている。塹壕から兵士が突撃して全員があっけなく秒殺される描写は乾いた演出で不気味だったし、レイフ・ファインズの息子の上官が目の前で銃殺されるナイトシーンは物凄く臨場感があった。同じく第一次世界大戦を描いた『1917』と比べても遜色ないどころか、同作が疑似ワンカットとロジャー・ディーキンスの撮影により幻想的な仕上がりになっている分、キングスマン ファーストエージェントのほうが臨場感や生々しさという点では勝ってさえいるのである。それほど戦争映画・反戦映画としてのクオリティは高い。 本作を理解するために予習をするのであれば、過去のキングスマン2作ではなく、『1917』もしくはピー