【パリ=飯竹恒一】イスラム教徒の女性が公共の場で顔を覆うベールや髪を隠すスカーフを着用するのを禁止する法案をフランス与党が近く提出し、そのなかで違反には750ユーロ(約10万円)の罰金を科す条項が盛り込まれる見通しであることが明らかになった。仏メディアが与党幹部の発言として7日伝えた。 ベールやスカーフは女性抑圧の象徴だとして、昨年、国民議会(下院)に調査委員会が設置された。サルコジ大統領も「女性の尊厳の問題」として「歓迎されない」と発言していた。政教分離を徹底するフランスでは、04年に公立学校でのイスラム教のスカーフ着用が禁止されている。 ただ内務省によると、仏国内で顔を含めて全身をすっぽり覆うブルカなどを着用しているのは1900人程度とみられ、法律で禁じるほどではないという声があるほか、服装の自由を侵害するという指摘もある。社会党は法案に反対を表明している。