外国出身力士は日本国籍を取得しても引退するまでは「外国人力士」としてカウントする--。日本相撲協会はこのほど、一つの相撲部屋に所属できる外国人力士を1人だけと制限した02年2月の「申し合わせ」を改めて徹底するよう各部屋に通達し、その中で「外国出身力士」についてこんな新解釈を打ち出した。 新たな解釈を設けた背景に近年横行する「抜け駆け」があるという。所属する外国出身力士に日本国籍を取らせ、空いた枠に新たな外国人力士を採用するのが「抜け駆け」の手口だ。昨年4月以降、6人の外国出身力士が日本国籍を取得し、空いた枠を使って複数の部屋で新たな外国人力士が採用された。 規定の抜け道を考えるひまがあるなら、強い日本人力士を育ててほしいと部屋の師匠たちには注文したいところだが、協会執行部としても今回の新解釈で抜け駆け行為に歯止めをかけようとしたのだろう。だが、この新解釈はいささか配慮を欠いた「勇み足」では