【ブリュッセル福島良典】「欧州連合(EU、加盟27カ国)域内最大の少数民族」と呼ばれるロマの国外送還を推し進めるフランスのサルコジ大統領への風当たりが内外で強まっている。国内では野党の左派陣営だけでなく、右派の首相経験者からも反発が噴出し始めた。 仏政府報道官によると、サルコジ大統領は夏休み明けの閣議(25日)でロマなどの送還を継続する方針を表明した。ベッソン移民相は25日、AFP通信に対し、今年に入ってから同日までに8030人の不法滞在者をルーマニアとブルガリアに送還したと明らかにした。送還された者の大半はロマ。26日にはさらに283人が送還されるという。 だが、送還への海外での反発拡大を受け、国内右派陣営からも批判の声が上がっている。12年の大統領選挙を視野に中道右派新党「共和国連帯」を旗揚げしたドビルパン前首相は仏紙ルモンドへの寄稿で「仏国旗の汚点」とサルコジ政権の対応を糾弾し、ラフ