【ワシントン=住井亨介】米メディアによると、南部バージニア州の州都リッチモンドの公園に立つ探検家、クリストファー・コロンブスの像が9日、中西部ミネソタ州で黒人男性が白人警官から暴行を受け死亡した事件に抗議するデモ隊によって倒され、近くの池に投げ込まれた。 米国では近年、15世紀に米大陸に到達したコロンブスを「先住民の虐殺者」とする見方が出ている。暴行死事件を機に、現在の人権基準に照らして批判が強まった可能性がある。 今月4日には、バージニア州のノーサム知事(民主党)が、リッチモンド中心部にある南北戦争時の南軍司令官、リー将軍の像を撤去すると発表している。南軍が奴隷制度存続を主張したため、南軍兵士の像は黒人差別や奴隷制度容認の象徴とみなされ、暴行死事件で撤去を求める動きが再燃。リー将軍像にも落書きなどが相次いでいた。