本論考は、1999年2月1日と2月28日とに発表されたものです。文中の趣旨が、現在の筆者の考察とは異なる場合もありますので、ご注意願います。 はじめに "「ソードワールドRPG」は日本の標準的RPGに成り得ない"あるいは"そうすべきでない"と言ったら驚かれるでしょうか? 国産RPGの内、日本で最もプレイされているゲームシステムは「ソードワールドRPG」であるといえましょう。発表(1989年)より十年もの間、日本のRPG界の枢軸を担ってきたこのゲームの功績は少なくありません。「上級ルール」や「完全版」、更にはワールドガイドも各種出版され、今なお続く人気の高さが伺われます。 が、それでも私は先に述べた見解を掲げざるを得ません。何故なのか? 以下、このゲームシステムについての考察を、三回に分けて述べていきます。最初に、私とこのゲームの関係について。次に、そのルールシステムの持つ指向性について。そ