■「ブラック部活」ブラック企業、ブラックバイトに続いて、「ブラック部活」なる言葉が流行り始めている。『AERA』の「子どもに理不尽強いる『ブラック部活』の実情」と題する記事がきっかけだ。発熱しても休めない、夏の合宿中は毎食どんぶり飯2杯がノルマ、部員の遅刻で全員が丸刈りなど、心身ともに過酷な状況がとりあげられている。 さて、部活動そのものは健全な教育活動の一環である。けっしてブラックではない。ただ、そのあり方次第ではブラックにもなりうる。この点について、学校管理下の事故統計から検討してみたい。 ■学校管理下の負傷事故のうち約半数は運動部活動中そもそも部活動中には、負傷事故が起きやすい。日本スポーツ振興センターが刊行している資料をもとに計算すると、2013年度において、学校管理下のあらゆる負傷事故(スポーツ時に限られない)のうち、中学校では48.7%が、高校では56.8%が運動部活動中に発生