献本御礼。貰ったから言うわけじゃないが、すばらしい本だ。実際に手にしてみるまで分からなかったが、想像以上の本に仕上がっている。デザインを学ぶ学生から、プロフェッショナルな現場で活躍されておられる方まで、フォントを扱うあまねく人に読んでもらいたい。 この本はおおまかに4章だての構成になっている(括弧内は筆者注) コミュニケーションとデザイン(主に読み物) 文字・書体と組版の基本(主にノウハウ) 文字・組み・実例見本(書体見本・組み見本・混植見本など) 文字・フォント資料集(FAQ、グロッサリー、グリフ一覧など) これだけ多くの内容を一冊にまとめてしまうと、たいてい散漫な印象を与えてしまうものだが、本書では奇跡的な成功を収めている。書体見本内にも適宜コラムが入り全体が読み物になっているかと思えば、読み物内の組版も工夫されていてそれ自体が組み見本とも言える。すべての本文およびキャプションがツメ組