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筆者の周りには10年選手や20年選手がたくさんいるが、自営一貫ペン一本で30年以上食べている人となると相当限られてくる。それより先の領域は霞(かすみ)がかってよく見えない。経済面や健康面、モチベーションの問題を抱えてキャリアを閉じたり、ヘッドハンティングや起業で本業が変わったりと、さまざまな事情から途中で道を違えるケースのほうが圧倒的に多いように感じる。 それでも、濃い霞の先でキャリアを重ねている人はいる。今回お話を伺った矢貫隆さん(66歳)は30歳手前でフリーライターとしての名刺を作り、現在もなお取材と執筆に精を出しているこの道のエキスパートだ。 職歴はまもなく40年。1980年代に交通問題ジャーナリストとして注目を集め、黎明期の救急医療の現場を取材する過程で執筆分野を広げていき、自殺未遂で救命救急センターに運ばれてきた人々や難病に苦しむ子どもたちのルポルタージュでも功績を挙げてきた。
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