北洋建設の小澤社長。不治の病と闘いながら、元受刑者を積極採用する経営を続けている ニッポンには人を大切にする"ホワイト企業"がまだまだ残っている...。連載企画『こんな会社で働きたい!』第15回は、札幌市に本社を構える北洋建設だ。 * * * 北洋建設は全国でも数少ない、受刑者を積極的に雇用する会社だ。 鳶(とび)、土工、解体工事の専門業者だが、会社には毎日のように刑務所にいる受刑者から「出所後の仕事の相談に乗ってください」との手紙が届く。 手紙の文面から本人の「やる気」と「心からの反省」を感じ取ることができれば、小澤輝真(てるまさ)社長が直接刑務所に赴き、受刑者と30分ほど面接をする(アクリル板越しではなく、普通の部屋で)。 だが、実は小澤社長は5年ほど前に「脊髄小脳変性症」という不治の難病に罹患し、余命ある身だ。小脳が委縮する病気で、言語障害や体の機能障害が現れる。昨年までは杖で歩けた