イスラエルは1990年代半ばから、ハイテクブームが起きた。セキュリティーソフト「ファイアウオール」で世界トップ企業となったチェック・ポイント・ソフトウエア・テクノロジーズなど新興企業が羽ばたいた。現在も米ナスダック市場ではイスラエル企業が140社近くある。日本のベンチャー企業の上場はほぼゼロだ。 人口730万人の小国で、なぜ世界を驚かすベンチャー企業がいくつも出てくるのか。イスラエルのVC(ベンチャーキャピタル)の首脳などへの取材をベースに、その秘密を探ってみたい。 イスラエルは世界経済の影響から真っ先に抜け出しつつある。欧米の投資銀行などの予想によれば、イスラエルの来年のGDP(国内総生産)は対前年比で2.5~3%増になるという。 7月からはイスラエル経済のけん引役であるハイテク部門の輸出が急回復していることが大きい。イスラエルのGDPは2008年が邦貨換算で18兆円ぐらい。このうち輸出
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