ジョン・ベイツ・クラーク賞を受賞した仏経済学者ガブリエル・ズックマン Photo: Ian C. Bates / The New York Times この記事は、世界的なベストセラーとなった『21世紀の資本』の著者で、フランスの経済学者であるトマ・ピケティによる連載「新しい“眼”で世界を見よう」の最新回です。 【画像】トマ・ピケティの指摘「経済学者は今の租税モデルが“持続不可能”だと気づきはじめている」 まずはめでたい話から始めよう。米国で最も重要な経済学の学術組織のアメリカ経済学会が、ジョン・ベイツ・クラーク賞の受賞者にガブリエル・ズックマンを選んだ。資産の集中と脱税に関する彼の研究を評価してのことだ。 この賞は毎年、40歳以下の経済学者に授与されている。今回とくに評価されたのが、超富裕層の脱税の規模がきわめて大きく、しばしば模範的な国と目される北欧諸国もその例外ではないことを示した革