境遇のしもべになるか、境遇を土台にするか 私個人のことを言えば、私は子どものころから身体が丈夫ではありません。いわゆる虚弱体質の部類で、ともかく飲食するにも、活動するにも無理がききません。すぐにお腹をこわす、すぐに風邪を引いて熱を出す、とそんなようなありさまでした。大人になってからは何とか毎日仕事生活を送れるような状態にはなりましたが、それでも私は常にやせすぎでひ弱な身体に神経をつかう日々を送っています。 私は小学校のころから自分のそうした身体の境遇に落胆していました。母も同じようにやせて身体が弱い方だったので、「ああ、こんな親のもとに生まれた自分に運がないのだ」と誰を責めるでもなく、ただ自分の身体に落胆していました。 小学校5、6年のころだったでしょうか。そんな時に母は「健康だと健康のありがたみが分からへんでしょ。病弱な人はそのありがたみが分かる。これはすごいことと違う? 弱い人は弱い人