今月開山した富士山登山をめぐって、山梨県が次世代型路面電車(LRT)による「富士山登山鉄道」構想の事業化を検討する予算を決定した。世界文化遺産の登録から10年、新型コロナウイルス感染症の5類移行から初めての登山シーズンとあって、山梨側の登山道は過去10年間で2番目の登山者数を記録。富士登山の上質化による高付加価値の観光振興の推進と、積年の課題であるオーバーツーリズム(過剰観光)対策などを具体的に解決しようとの試みだ。ただ、構想には課題や反対の声が多く、新たな論議を呼びそうだ。 有料道路にLRT「今季の富士山は、国内外から多くの来訪が予想され、以前にも増してオーバーツーリズムや自然環境への負荷が懸念される。登山者数の適正化を図っているが、富士山の普遍的な価値を保全しながら、その価値を高め、未来に引き継ぐことが責務だ」 6月20日、山梨県の6月定例議会。長崎幸太郎知事は冒頭、こう説明し、その「