無知と偏見は連鎖する。病気の原因がわかっていなかったのがハンセン病患者に対する偏見の一因である。ハンセン病は感染症であり、感染力は非常に弱いことが周知されれば、「ハンセン病は患者が過去に犯した悪行に対する報いだ」などという偏見は消えていく。ハンセン病患者に対する偏見・差別は残っているが、少なくとも現代日本においてハンセン病を業病扱いすれば、発言者は知性を疑われる。知識は、偏見や差別に対する武器になる。 さて、私が以前から注目していた■心に青雲というブログがある。ブログ主は「空手道場主宰」で、エントリーにはしばしば「わが流派の最高幹部」の教えがよく登場する。「わが流派」とは、南郷継正氏が主催する空手道玄和会だと思われる*1。このブログではいささか私たちが知っている科学とは相容れない主張がなされている。たとえば、発達障害に関する一般的な学説を否定し、「原因は親自身の生活過程にある」と断言する。