私が勤務していた大学病院は、屋内は全面禁煙だった。喫煙所は屋外にあり、屋根はついているものの四方の一面だけにしか壁はなく、風を遮るものはない。冬はさぞ寒いだろう。また、雨天時には、傘をさすか濡れる覚悟がないと喫煙所にはたどりつけない。そばを通るときはタバコの臭いがして不快ではあったが、喫煙所でタバコを吸っている方々はマナーを守っている喫煙者であり、不便を強いられていることに同情する気持ちのほうが強かった。 喫煙所。屋根がないと雨天時に利用されないから機能評価に通らないらしい。 屋内に喫煙ルームをつくればいいのに。患者さんの背景はさまざまだ。腸疾患で口から食べることができず、喫煙ぐらいしか楽しみがないという患者さんもいる。悪性疾患で余命が長くない患者さんもいる。そういう人たちに対して禁煙しろとは私はとても言えない。雨や寒さの心配をせずにタバコぐらいは吸わせてあげたい。 喫煙者の趣味嗜好に対し