耐震データ偽造事件を巡り、建築確認の際に元1級建築士、姉歯秀次受刑者(52)の偽造を見逃したとして、マンション販売会社「ヒューザー」の破産管財人弁護士が、東京都や横浜市など9自治体と二つの指定確認検査機関に総額約50億円の賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は31日、請求をすべて棄却した。松井英隆裁判長は「意図的な偽装行為は想定されておらず、自治体や検査機関に注意義務違反はなかった」と述べた。 判決は「建築確認は建築士に対する信頼を前提に、設計内容が規定に適合しているか確認する制度。建築物の適法性を保証するものでなく、審査に限界があった」と指摘した。ヒューザー側は「構造計算書に必要書類が添付されないなど不備は明らか」と主張したが、判決は国指定の計算プログラムを使った場合は添付省略も認められていたとして、「再計算する義務はなかった」と述べた。 ヒューザーは06年1月、「賠償金は住民補償に充