下水道に使うコンクリート管や電柱などパイプ状のコンクリート製品は殆どがヒューム管である.英語の"Hume concrete pipe"は日本語では「遠心鉄筋コンクリート管」という.Humeとは,この管の製法を発明したオーストラリア人ヒューム兄弟の名前をとったものだ. 彼らは管を作る時に遠心力を使って成形することを思いついた.コンクリートの型枠を回転させながらコンクリートを成型するとコンクリートは遠心力で外枠におしつけられ,余分な水や空気が内側におしだされて,緻密で強度の大きいコンクリート管ができあがるというもの. 長くて細い電柱が折れずに重い電線や変圧器をささえられるのも,ビルの基礎にコンクリートパイルを打ち込むことができるのも,また太い下水管の上に道路をつくることができるのも,このヒューム兄弟の発明によるところが大きいのである.