化学大手の宇部興産は29日、子会社の関東宇部コンクリート工業(東京)が建築基準法が定める仕様を満たさない生コンクリートを2006年から12年間にわたって出荷していたと発表した。この生コンは東京都、神奈川県、千葉県の2560カ所のマンションや商業ビルなどに使われ、うち401カ所は施工中だ。宇部興産は安全性に問題はないとしているが、マンションを販売した不動産大手は顧客への説明を始めており、影響が広がっている。 建築基準法は建築物に使うコンクリートの成分について、国土交通相の認定を受けるか、日本工業規格(JIS)に適合させるよう義務づけている。関東宇部が千葉県浦安市など首都圏の4工場から出荷した生コンは、山口県美祢市産の石灰石だけを使っているとして認定などを受けていたが、実際は高知県仁淀川町産の石灰石が3~7割ほど混ざっていた。 石灰石は、宇部興産子会社の宇部マテリアルズ(山口県宇部市)が関東宇