「神童も二十歳すぎればただの人」とはよく言われるが、天才少年が天才のまま大人になることは稀。どこかで挫折を乗り越えてきた。 ちょうど20年前の'98年春、千葉県在住の高校2年生・佐藤和俊さんは、新聞各紙、テレビ各局で大々的に取り上げられた。それは日本初の「飛び級」で千葉大学工学部に入学を果たしたからである。 佐藤さんは、千葉大学が行った物理学の分野で優秀な人材を募集する「飛び入学」選抜に合格した天才少年だった。 いまや37歳となった佐藤さんは、現在の仕事についてこう語る。 「トラック運転手をしています。時間は不規則で、朝の3時から走り出すこともありますね。ただ、日曜と祝日は休みなので、家族と過ごせる時間がきちんとあることがありがたいです。 保育園のときに菅原文太さん主演の映画シリーズ『トラック野郎』を観て大型車が好きになったんです。いつか乗ってみたいなと憧れていたんですよ」 どんな道のりを