< ~!~ 西行こと義清の出家の意味するところは…… > 〇出家の謎…… 北面の武士佐藤義清が妻子を捨て、出家したのは、保延六(1140)年十月十五日のことであると伝えられています。時に、義清23歳の時でありました。 天皇家の争い・摂関家の争いが、やがて武士をも巻き込んで、遂には源平の合戦に発展していくという時代背景のなかで、佐藤義清は出家します。。 人が人を蹴落とす醜い世の中のあり様、親が子を殺し、子が親を斬る時代…… あるいは、動乱、果ては災害といった世情に…… この時代の人々は「末世」を見ていたのです。 世の無常を悟り、そして、仏に救いをもとめ、諸国を巡り…… 俗世を離れ、思索を深めようと人々は出家しました。 その一人として佐藤義清もあったのです。 しかし、後世歌人「西行」として名をなす義清の出家にはいくつかの謎が含まれています。佐藤義清こと西行にとって、出家遁世