大晦日は型どおりに年越し蕎麦を食べたあとはもうTVも観ず、ホットカーペットに寝転んでひたすら読書。読みかけの本をなんとか年内に終わらせるべく集中。十一時を回ってようやく読了した。 ブレンダ・マドックス著、鹿田昌美訳、福岡伸一監訳 『ダークレディと呼ばれて 二重らせん発見とロザリンド・フランクリンの真実』 化学同人、2005 DNAの二重螺旋構造は20世紀後半の最大の科学的発見(1953)である。それは遺伝子そのもの、ひいては生命そのものの基本構造を目に見える形で顕現する衝撃的開示だったからである。 1962年、ワトソンとクリックとウィルキンズの三人の生物学者にノーベル賞をもたらしたこの重大な発見の蔭で、不当に業績が過小評価され、人格まで貶められたひとりの女性がいた。彼女が熟練の技で鮮明なDNAのX線回析写真の撮影に成功し、その構造を捉えつつあったさなかに、発表前に写真を不正な手段で「盗み見