山本七平「帝王学 「貞観政要」の読み方」佳代とナジャのリヒテンシュタイン姉妹（ペルソナ）による対話ブログ。話題はシュルレアリスムからアニ横まで。Il est l'heure de s'enivrer! 「隋を滅ぼし唐を起した李淵の息子であり、三百年にわたる大国となった唐の基礎を築いた李世民こと太宗は、中国史上のなかでも並ぶものない名君と称えられる賢人であって、太宗の治世は貞観の治と呼ばれ誉れとされてる。でもそんな偉大な太宗も決してまちがいを生涯一度も犯したことのなかった超人というわけでなくて、その生涯には数多くの苦難と失政があったのであり、でもそれでも太宗が偉大な君主として後世に名を遺すことになったのは、ひとえにその人格の高潔さ、稀に見る品性とみずからの過ちを進んで受け入れ直すことのできる性格にあったからにほかならなかった。そして太宗のそういう美質を言行録としてまとめたのが「貞観政要」であり、その書は長いあいだにわたって日本の知
