オーナー企業の社長が、つきあいのある他社に自分の子息を入社させる例はさして珍しいものではありません。いずれ自社を継ぐとしても、まずは外部で相応に修業を積んでから‥‥というわけです。賢明な判断です。なまじ新卒の時点から自社に入社させると、周囲の社員は「次期社長候補」という目で彼を見る。自然、どうしても甘やかしてしまい嫌なこともさせない。これでは「次期社長」としての器は往々にして育ちません。 だからといって「他社ならどこでもいい」わけでないのは当然です。凡庸な社長は、ともすれば下請けの会社に子息を託したりする。「頼みやすい」こともあるのでしょう。だが、これでは彼は自社に入社する以上に甘やかされます。「御曹司のご機嫌を損ねたら今後仕事を回してもらえなくなる」と思うからです。子息を預けるのなら、なるべく係累のないところ、利害関係が少ないところを選ぶべきです。 さて、我が社では毎年、2、3名の社