英中部のマンチェスター大は22日までに、眼鏡に取り付けた小型カメラの映像を電気信号に変換し、眼球に埋め込んだ電極から網膜に伝えることで視力を回復する手術を、80歳の男性患者に実施したと発表した。高齢のため視力が衰える「加齢黄斑変性」の患者に対する人工眼の手術は世界で初めてという。 まだ健在な網膜の上に手術で電極を埋め込み、無線で伝えた映像の電気信号で網膜を刺激する。患者は人工視力を獲得するため、目を閉じてもカメラ映像を感知できる。ただ、脳内で信号を再構成するためには一定の学習期間が必要だという。 この病気は進行すると、読書や車の運転ができなくなる。欧米で失明の主な原因となっており、日本の患者数も数十万人と推測されている。 マンチェスター大教授が装置の埋め込み手術を行い、約2週間後の7月1日に起動。この患者は大好きなサッカーのテレビ観戦が容易になり、家族の顔も分かるようになったという。 人工