カリブ海の社会主義国キューバで憲法改正の動きが進んでいる。前文から「共産主義」の文言が消え、市場経済を受け入れて私有財産を容認するなど抜本的な変更となる予定で、2019年の公布を目指す。冷戦後の国際・経済情勢の変化や、1959年のキューバ革命以降政権を担ってきたカストロ兄弟からの世代交代によってもたらされた「現実」への対応を迫られた形だ。(共同通信=小西大輔ハバナ支局長) ▽カストロ前議長が音頭 「ソ連・東欧の社会主義体制崩壊や外貨獲得、外国投資の必要性などに鑑み、1976年施行の現行憲法は改革が必要だった」。国立ハバナ大のユリ・ペレス教授(憲法学)は説明する。 改憲は4月に国家評議会議長(元首)を引退した改革志向のラウル・カストロ氏(87)が音頭を取り、2013年からキューバ共産党内部で検討されてきた。ディアスカネル新議長(58)の下、今年7月に人民権力全国会議(国会)が承認した草案では