今年3月、広島県呉市沖の安芸灘にいたカンムリウミスズメ=飯田知彦さん提供 国の天然記念物に指定されている海鳥カンムリウミスズメが広島県呉市・倉橋島沖の安芸灘にほぼ通年にわたって生息していることが、日本鳥学会会員飯田知彦さん(42)=広島市東区=の調査でわかった。日本近海に生息しているとされるが、ほぼ通年いる海域が確認されたのは初めてという。 体長25センチほどで、頭の冠羽が特徴。環境省のレッドリストで絶滅危惧(きぐ)2類(絶滅の危険が増大している種)に分類されている。繁殖地としては宮崎県門川町沖の枇榔(びろう)島や伊豆諸島などが知られているが、春の繁殖期以外を過ごす詳しい海域や生態は不明だった。 飯田さんは07年6月、安芸灘で初めて、海上を漂う幼鳥を発見、撮影に成功した。それまで、瀬戸内海には生息していないとされていた。その後も周辺海域で調査を続け、6〜9月にかけ3〜5羽の単位で水面