ピンチから生まれた「あの品種」 ニュージーランドを代表する果物といえば、キウイフルーツだ。農作物輸出額の約半分を占め、同国にとって重要な輸出品でもある。しかし今から10年ほど前まで、この国のキウイ産業は重大な危機に直面していた。 「キウイフルーツかいよう病」という病害が広まり、キウイ農園が甚大な被害を受けていたのだ。英紙「ガーディアン」によると、この病害による経済的損失は700億円近くにのぼり、なかでも新しく人気のあったゴールドキウイが、もっとも大きなダメージを受けていた。 この危機を救おうと立ち上がったのが、巨大企業のゼスプリだった。キウイフルーツ生産者を株主とし、世界各国にこの果実を輸出・販売している同社は、複数の資金提供者とともに、代替品種の開発に巨額の資金を投入した。