#1 #2 #3 #4 #5 #6 #7 #8 賃金上昇はわずか1%どまり ――インフレで物価が高止まりする中、今年はいわゆる官製春闘が奏功し、賃金が上がるのではないかと期待されていました。しかし、結果的には今ひとつに終わりました。 熊野(以下同)岸田首相の影響力をフル活用し、政府も大手企業を中心に賃上げを強く要請したので、定期昇給を含めて3%台後半、ベースアップだけで2%ちょっとはいくのではないかとの憶測もありました。もしこれが実現していれば、1993年以来、実に30年ぶりのことでした。 ところが、厚生労働省が6月6日に発表した4月の「毎月勤労統計調査」の結果によれば、賃金については前年比で1.0%増えたのみ。この発表には愕然としました。なんでこんなことになるんだろうと、岸田首相も、担当省庁も、行政関係者もみな泡を食ったのではないでしょうか。 これは日本の現状を表すきわめてシンボリックな