映画『Lilja 4-ever』 (監督&脚本:ルーカス・ムーディソン 主演:Oksana Akinshina) ★★★★★★★★★★ 『ショー・ミー・ラヴ』『エヴァとステファンとすてきな家族』に続くルーカス・ムーディソンの最新作。 旧ソ連とスウェーデンを舞台にした、(現実に行われている)売春奴隷犯罪/ヒューマン・トラフィッキングについて描いた映画である。当然、これまでの彼の特徴であったハートウォーミング路線になどなるわけもなく、徹底的にハードでダークな仕上がりとなった。 題材が題材だし、ルーカス・ムーディソンの製作の動機の一つとして「告発」という部分があったのは間違いないだろう。実際、ケン・ローチの『レディバード・レディバード』等の一連の作品と同じぐらい大きなしこりを観客に残すのは確実だ。 だが、それ以上に本作は、切り裂かれるような痛みに満ちた これ以上ないぐらいに誠実な青春映画である