「萌え」から眺めた文学は、予想を超えた収穫だった。 ようするに、エロリ・ポルノ・恋愛小説なんだが、「萌え」という切り口から見ると、新鮮かつ懐かしい気分になる。オタク、ストーカー、2ch、ギャルゲ、電車男などのアキバ語を駆使しつつ、川端、三島、太宰、谷崎といったブンゴー達を調理する。 「文豪の作品だからといって、必ずしも難解なわけではない。『萌え』ながら読めるよ」というメッセージは腑に落ちるし、萌えポイントの解説は正確無比。だけでなく、作品をちゃんと「読め」るようアシストしてくれる。これまでさんざん誤読されてきた「伊豆の踊子」が、あけすけといってもいいぐらい解説されているので噴いた。 さらに、「萌え」というあやふやなテーマを、作品のバラエティから再定義しようとする。つまりこうだ。一口に「萌え」といっても、様々な種類がある。ロリ萌えやショタ萌えといったスタンダードから、ヤンデレ萌え、猟奇萌えと
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