社説 陸自2万人配備 文民統制の根幹問われる2010年9月22日 Tweet 防衛省は、陸上自衛隊の定員を現在の15万5千人から1万3千人も増やし、宮古島以西への部隊配備を視野に入れ、南西諸島を含めて2万人に増やすことを検討している。現在の沖縄本島の2千人規模の駐留を約10倍にする計画だ。 なぜこの時期なのか。尖閣諸島の領有権をめぐって高まる中国との関係悪化を背景とする防衛力強化を狙いたいようだが、外交による日中間の懸案改善を二の次にして部隊規模拡大が先走る乱暴な議論だ。 沖縄周辺に新たな緊張を生み出すことは不可避であり、外交による平和構築を放棄したとも取れる軍備拡大は撤回すべきだ。 陸自の増員は沖縄が本土に復帰した1972年の千人が最後で、当時の18万人以来、隊員数は減り続けてきた。今回の大幅増強構想は、定員削減圧力にさらされる陸上幕僚監部の意向が強く働いている。制服組の組織防衛