第5章では、EMS(イミュニティ)試験について説明していきたい。イミュニティ試験は「製品に想定される電磁環境における耐性を評価すること」を目的としている。試験は定められた手順、レベルで電磁妨害を与え、試験対象機器の動作を確認する。主な試験項目には、静電気イミュニティ試験、放射電磁界イミュニティ試験、電気的ファースト・トランジェント/バーストイミュニティ試験、サージイミュニティ試験、伝導性イミュニティ試験、電源周波数電磁界イミュニティ試験、電圧ディップ、一時遮断イミュニティ試験がある。 多くの国で古くから法的な規制が行なわれているエミッション(機器から発生する電磁波ノイズ)とは違い、イミュニティ(電磁波ノイズへの耐性)に関しては製品の品質の問題であるとの考えに基づき、アメリカなど法律で規制していない国もある。一方、欧州においては、EMC 指令の強制化と共に、イミュニティに関してもエミッション