最近話題になった発話阻害銃『Speech Jammer』(日本語版記事)のプロトタイプを開発した栗原一貴氏と塚田浩二氏は、何から着想を得たのだろうか。 J・G・バラードやフィリップ・K・ディックのSF小説や、ディストピア的映画だろうか。それとも、[1930年代からBGMサービスを始めた]米Muzak社や、ドイツかどこかの先進的な実験だろうか? それとも、[暴動鎮圧などに使われる「音響兵器」である]長距離音響装置(LRAD)だろうか? その答えは実は、フレンドリーな地元の科学博物館だった。 「ある日、わたしは科学博物館に立ち寄って、認知科学のコーナーにあった聴覚遅延フィードバック(DAF)のデモを試してみました」と栗原氏は、Wiredとの電子メールのやりとりで語ってくれた。「マイクに向かって話すと、数百ミリ秒遅れて声が返ってきた。すると、続けて話すことができなくなったのです。これは面白いなと