ニュージーランド原産のオウムであるカカポは、体重は3〜4キロとオウムのなかでもっとも大きく、そして飛ばない。 哺乳類のいない世界で進化した彼らの敵は、上空から襲いかかる猛禽類だけだった。その攻撃を避けるためにカカポは夜間に活動し、危機に直面した際には、茂みのなかでじっと動かず、その美しい緑色の体を草木に紛らせて敵をやりすごす。 しかし、ネコ、イヌ、イタチなどの捕食動物が侵入してくると、このやり方でうまくいくはずはない。加えてカカポは体臭が強く(ハチミツやフリージアのような匂いがする)、その肉はたいへん美味だという。夜間、カカポは巣をほったらかしにして、よたよたと歩いて餌を探しにいく。巣の卵や雛は奪われ、また、成鳥は行く先々で捕食される。しかも繁殖は数年に1度しか行われないのだ。 カカポについて著者はこんなふうに書いている。 つまるところ、どれほど残酷な造物主でも、カカポほど無防備な鳥、つま
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