仙谷由人元官房長官が、自衛隊を指して暴力装置と評した時はかなり批判されたが(その用法自体は、社会科学では常識と言えるほど当たり前の用法である)、アフガン親米政権(ガニ政権)が崩壊し、タリバンがアフガンの首都カブールを陥落せしめた現状は、政治と社会の根底が暴力装置に依存していると言う当たり前の事実を、剥き出しにして提示してみせたのではないか。 冷戦期および冷戦後の極めて虚構的な時代にあっては、政治とは社会の枠内での、運動や椅子取りゲームであったわけだが、改めてそれらの行為が成り立つためには、暴力装置が機能していなければならないと言うことが歴然とした。 タリバンが、女性の権利を抑圧している、おそらくは今後何を言うとしても、現場ではもっと抑圧されるだろうと見通されることから、タリバンの慎重をフェミニズムの問題と捉えた場合、フェミニズムは避け続けて来たこの剥き出しの暴力において、いかに生存戦略的優