初めて痴漢に遭ったのは初潮を迎えるより遥かに前だったと思う。といっても、わたしにそれがきたのは中三になってからで、ひとよりだいぶ遅かったのだけれども。9歳だったろうか、10歳だったろうか、とにかくそれくらいの歳だ。本屋で立ち読みをしていたら下半身を触られた。触り方が露骨だったので、おぞましいことと理解した。だがそれ以前にも、そのようなことはあったかもしれない。しかも幾度も。どういうことかというと、わたしはその本屋でよく立ち読みをしていたのだが、そうしているときに後ろから覆いかぶさるようにして本棚から本を抜く男がいた。そしてそのまま、つまり身体を密着させたまま、男もそこでそれを読む。わたしが移動するとついてきて、また身体を寄せてくる。おかしいとは思っていた。だが、性的なものという認識はなかった。しかし、そのとき、スカートのなかに手を入れられ、下着の上から下半身を触られて初めて、わたしは理解し