前回のエントリ「刑事弁護について」で私は、「どんな被告人であってもその利益を守らなければいけない」と書きました。 「被告人の利益を守る」ということは、基本的には「被告人により有利な裁判を目指す」ということになります。 有罪よりは無罪を、有罪だとしても重い刑よりは軽い刑を目指すということです。 但し、「被告人に有利な裁判」と「被告人のためになる裁判」というのは常に一致するとは限らないと思っていますが、本エントリではこの問題には触れずに基本的な考え方を前提にして書いていきます。」 ともかく弁護人は被告人に有利な裁判を目指すわけですが、弁護人は被告人の意思や意向を無視して完全に被告人から独立して自分で弁護方針を決定するわけにはいきません。 なぜなら、裁判という手続で多大な時間を奪われ、実刑となれば判決の効力を受けて服役するのは被告人本人であって弁護人ではないからです。 従って、ある被告人の裁判に