マネーロンダリング、韓国戦での八百長、W杯開催地選挙、会長選挙で飛び交う実弾。FIFAの闇はここまで深かった! そして2015年5月に迎えた、FIFA幹部の一斉逮捕。本書『FIFA 腐敗の全内幕』は、その端緒をつくったアンドリュー・ジェニングス氏の、長年にわたる調査報道を余すところなく伝えた一冊である。今回は特別に、日本版を手掛けた編集部による解説記事を掲載いたします。(HONZ編集部)※レビューはこちら 2015年5月の早朝、スイスチューリッヒの高級ホテルに米国司法省の意をうけたスイス警察が踏み込み、FIFA幹部を一斉に逮捕したそのニュースは記憶に新しい。 世界の人々は、突然FIFAの腐敗をつきつけられたような気がしただろうが、ジェニングス氏のこの本を読むと、その腐敗は、70年代半ば以降のスポーツの商業主義化と軌道を一つにして始まっていたものであり、しかも、その度合いは