南米ボリビアで、人気沸騰中の女子プロレス「チョリータス・ルチャドラス」。「ナショナル ジオグラフィック日本版」9月号では、先住民の誇りをかけて、伝統衣装に身を包み、いざリングへ向かう女子レスラーたちの姿を紹介した。 会場にとどろく、ビートのきいたディスコ音楽。「主役はまだか!」と足を踏み鳴らし、口笛を吹く観客。ここはボリビアの首都ラパス郊外の町、エルアルトの体育館。中央のリングでは、もう2時間以上も前座のレスラーたちの派手なパフォーマンスが続いていた。いよいよお待ちかね、本日のメーンイベントだ。 次の瞬間、フッと照明が消えたかと思うと、アンデス高地の大衆音楽ワイニョのリズムが流れだした。入場口のカーテンが開き、熱狂的な拍手がわき起こる。今夜のメーンイベントを戦う2人の女性レスラー「情熱のヨランダ」と「邪悪なクラウディーナ」がついに、リングへ向かう花道に姿を現した。 観客のなかにいる多くのア