マンガ好きなら誰しも、心の中に“自分だけの名作”を持っているはず。誰かが特別に思ったその作品は、ほかの誰かにとっても特別なものになりうるのではないだろうか。そんなマンガをもっと知りたいという思いから、コラム「私の名作」はスタートした。 このコラムでは人一倍マンガを読み、また紹介してきたであろう人々に、とりわけ思い入れのある、語りたい1作を選んで紹介してもらっている。第3回ではライター・編集者の島田一志氏が、浅田弘幸「I’ll~アイル~」について綴ってくれた。 文 / 島田一志 「I’ll~アイル~」は青春マンガの名作だ浅田弘幸の「I’ll~アイル~」は、1995年から2004年まで月刊少年ジャンプ(集英社)で連載された、青春マンガの名作である。──などと書くと、同作をすでにご存じの方は、バスケマンガ、あるいはスポーツマンガの書き間違いではないかと思うかもしれない。 確かに、この作品の見どこ