生活保護費や児童扶養手当をパチンコなどのギャンブルで浪費することを禁止し、市民に情報提供を求める兵庫県小野市の「市福祉給付制度適正化条例」案が27日、市議会本会議で原案通りに可決、成立した。病欠1人を除く市議15人のうち反対は共産1人だった。施行は4月1日。警察OBに調査させる 「監視社会を招く」と一部から批判もあったが、閉会後に会見を開いた蓬莱務(ほうらい・つとむ)市長は「(条例の目的は)当たり前のことで、監視ではなく見守り。賛成が圧倒的多数で、提案の過程で生活保護に関心を持つ人が全国的に増えたのはうれしい」と述べた。 条例では不正受給や常習的な浪費を見つけた場合、市への情報提供が「市民の責務」と記載されており、情報は警察OBら適正化推進員に調査させる方針。蓬莱市長は「責務という言葉がなければ(市民が)行動に移しにくい。警察OBは専門能力を持ち、犯罪捜査を行うわけではない」と説明した。