前編 オキダが家に帰ると既に翁は山のような枯れ木の中で一人煙管をふかしていた。 一部始終を簡単に説明すると翁はなんとも表現しがたい苦い顔でこちらを見て、一言を口から漏らした。 「・・・何かの卵という可能性がある。」 最も翁も思いつきでこのような事を言っているのではない。銀河‘星雲’団第三支部部長時代の経験だ。 そもそも銀河‘星雲’団とは一体どのような組織であるかを知っている方はいるだろうか。 簡潔に説明するならば宇宙警察、といったようなものだ。ただし、ただの宇宙警察とは違うところがある。 彼ら第三支部は侵略者をせき止める役割も持っている。銀河‘星雲’団の中でもパワーに優れているのだ。 翁が現役だった頃、生物兵器の卵を拠点に置かれて拠点が壊滅しかけたことがある。その経験なのだ。 「しかしまぁ、そういう可能性はなさそうですよ。」 オキダが反論をする。 オキダは銀河‘星雲’団の第二支部部長だった