アライグマは、人間が暮らす環境にもすぐに適応する、認知能力の高い動物だ。だがそのせいで、ペットや人間が狂犬病ウイルスと接触する機会を増やしてしまう。(PHOTOGRAPH BY CARLTON WARD JR., NATIONAL GEOGRAPHIC IMAGE COLLECTION) 米国ペンシルベニア州の都市ピッツバーグ。8月中旬の爽やかな朝、ティモシー・リンダー氏が冷凍車の扉を大きく開くと、冷気とともに強烈な魚のわた(内臓)のにおいが流れ出た。 「私はもはや臭いと感じなくなっています」と、米農務省野生動物局の生物学者であるリンダー氏は言う。 リンダー氏は荷台に乗り込むと、段ボール箱からチョコバーのような茶色いブロックを取り出した。アライグマ向けの餌だ。(参考記事:「【動画】史上最高にかわいい? 3匹のアライグマ」) 「魚粉入りのポリマーブロックです」とリンダー氏はにおいの理由を説明