東日本大震災で世界が賞賛した日本人の「絆」。譲り合いや助け合う精神は、非常時における社会の結びつきの強さを世界に向けて証明した。 一方で、震災直後には「買い占め」問題も勃発した。物資の欠乏にあえぐ被災地へ一刻も早く、そして大量の救援品を送らなければならないにもかかわらず、首都圏を中心に買い占めが起こってしまった。 「危機意識の強さの表れ」「自分や家族が生きていくためには仕方がない」という買い占め容認論も聞かれたが、どこかに違和感を覚えた人も多いのではないだろうか。 個と社会、自立と絆。相反するように感じる2つは、いずれも我々の中で両立させるべきものとして求められてきたものである。それが、震災という極限状態の中で、極端な形で姿を現してしまった。 では、自立とは何なのか。 その答えを探るべく、自社の職人に対して強烈に自立を促す企業のトップに話を聞いてみた。 岩手県奥州市に本社を置く金属加工会社