日本における外国人に関する実態と将来像――「これまで」と「これから」の整理 加藤真 三菱UFJリサーチ&コンサルティング研究員 社会 #「新しいリベラル」を構想するために 労働力不足が顕在化している。そうしたなか、2017年6月に閣議決定された成長戦略(「未来投資戦略2017」)で、日本経済のさらなる活性化および競争力強化の観点から、外国人材の受け入れと活用が盛り込まれた。当該内容は、第2次安倍政権発足以降、閣議決定されてきた成長戦略において、5年連続で明記されたことになる。 5年前は高度外国人材の活用促進が中心であったが、今では、建設、造船、家事労働、農業、クールジャパン、インバウンドなど、幅広い分野の外国人の受け入れ促進や、生活環境の改善等についても言及されている。近年のこのような外国人に関する政策展開は、過去の政権と比較しても「異次元のスピード」(鈴木 2016: 42)で進められて