私のセラピストは、自分は死につつあるのだと言った。まるで「ジム、やめるのよね」とでも言うような口ぶりで。 なんてことだ。私が免疫療法の具合はどうかと聞くと、彼女はすべてやめてしまったと言った。悔しそうではあったが、悲嘆にくれている様子はなかった。私は困惑した。彼女の肺のがんは手術の施しようがないことは知っていたが、ほとんど完治したのだと思っていた。治療のことを聞いたのは、ひとえにひどい副作用がないかどうか確かめるためだった。 実際、化学療法はうまくいかず、免疫療法は状況を悪化させていた。彼女は別の治療法を試してみないかと言われたが、それは髪が抜け落ちることを意味していて、彼女はやりたがらなかった。それで、酸素吸入以外のすべてをやめてしまったのだ。 「ポルカ!(イタリア語で「雌豚」の意味だが、罵り言葉のひとつ。「くそったれ」程度の意味)」とサラは言った。この言葉に、彼女の状況が要約されていた
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